海水魚飼育の基礎知識
海水魚の食性として、肉食性、草食性、雑食性があげられます。
海水魚は種類によっては餌付けが難しいと思われる方が多いのですが、海水魚も熱帯性淡水魚と同じく、給餌環境、習慣への順応性がかなりあります。
最近では市販の餌もかなりの種類が販売されており、生の餌から餌付けを行えば人工乾燥飼料にも餌付けられる場合が多いので、トライしてみる価値は十分にあると思います。
【生(なま)の餌】
餌付けに使用する代表的な餌が「アサリ」です。
アサリは多くの魚たちが好む貝で、人工飼料に餌付いていない魚には殻を開いて殻つきのまま水槽に沈めると、大概は突っついて食べ始めます。
生のタラコも魚卵なので魚たちは好んで食べます。
小粒で食べやすく、栄養も満点ですが必ず生のものを与えます。
アサリや生タラコなどの生餌は腐敗が早いので、食べ残しは早めに取り除き、一度に大量に与えないようにします。
【生餌】
生の餌とは意味合いが違い「生きている」餌のことです。
代表的なものに「ブラインシュリンプ」があります。
乾燥ブラインシュリンプの卵を孵化させて与えるこの餌は、タツノオトシゴやヨウジウオ、テングカワハギなどや無脊椎動物のフィルター・フィーダーと呼ばれる種はもちろん、一般の小魚も喜んで食べます。
【冷凍飼料】
海水魚用冷凍飼料には、マリンハンバーグと呼ばれるものや、イサザアミの冷凍、冷凍ブラインシュリンプなどがあります。
どれも嗜好性が高く、乾燥飼料に餌付いていない魚でも、これらの餌なら食べ始める場合が多いです。
海水魚用ハンバーグ 価格は1,000円前後
海水魚におすすめ! キョーリン 《冷》★クリーンホワイトシュリンプ (1枚)
冷凍イサザアミ
【人工乾燥飼料】
フレークや顆粒状、タブレット状などいろいろな形状があり、浮くもの、沈むもの、ゆっくり沈むものなど、魚の給餌特性に合わせて与えることが出来ます。
栄養面でも良く考えて作られており、主食として与えられます。
オキアミのフリーズドライ「クリル」
【人工飼料(練り餌)】
人工飼料に水を加えて練り、ライブロックなどに塗りつけて与えます。
主にチョウチョウウオやヤッコの餌付けに使用される場合が多いようです。
栄養面では乾燥飼料と同じく各種ビタミンなども配合されており、安心して与えられます。
【液体飼料(プランクトンフード)】
液体飼料というとサンゴなどの無脊椎動物専用のイメージがありますが、濃縮動物プランクトンフードは無脊椎動物はもちろん、ヤッコやチョウチョウウオ、ハゼなども好んで食べます。
液体飼料は与えすぎには特に注意します。
濃縮動物プランクトンフードマーフィード KENT ズープレックス 470ml
アクアリュームの世界では、淡水に棲む魚を「熱帯魚」、海に棲む魚を「海水魚」と呼んで区別しています。
しかし、「熱帯魚」と聞くとサンゴ礁に棲む色鮮やかな熱帯性の海水魚が思い浮かぶ人も多いと思います。
これは熱帯、亜熱帯地域の河川や湖沼に棲む熱帯性淡水魚の飼育が先に始まったので、淡水の観賞魚を総じて「熱帯魚」と呼んでしまったためです。
そして、後から水槽飼育に登場してきた観賞用熱帯性海水魚のことを、単純に「海水魚」と呼ぶようになりました。
実際に水槽飼育を本格的に行っている人は、淡水の魚は「淡水魚」、海水の魚は「海水魚」、これらを総じて「熱帯魚」と区別して考えている方がほとんどだと思います。
英語ではトロピカル・マリン・フィッシュ、コーラル・リーフ・フィッシュ、ソルトウォーター・アクアリューム・フィッシュなどと呼ぶことが多いようです。
わたしたちがショップでお目にかかる海水魚の多くは、中・西部太平洋からインド洋にかけて多く分布している種です。
特に、フィリピンからの輸入量が多く歴史もあり、世界各国で最も重要な供給地と認められています。
海水の比重の一般的な値は1.020〜1.025ぐらいの濃さです。
海水の特徴として、酸素が溶け込みにくいということが上げられます。
さらに、水温が高い場合も酸素が溶けにくくなるので、飼育海水の比重は酸素を溶かしやすいように、やや薄めの1.020〜1.023ぐらいが良いというのが世界の通説になっています。
飼育水の比重は、市販の比重計で簡単に計測できます。
マツダ マリンハイドロメーター
飼育水をケースに規定量汲み、ゲージを読み取るだけの簡単計測
レッドシー レッドシー ハイドロメーター(比重計)
水温計付き
飼育水のPH(水素イオン濃度)は、7.6〜8.4の間が一般的です。
飼育水の水温ですが、紅海周辺で30℃ぐらい、ハワイ周辺海域では平均24℃ぐらいといわれ海域によって温度差があるのですが、あちこちの魚を混泳させるアクアリュームとなると、26〜27℃で年中一定に保つのが望ましいと思います。
海水魚飼育の飼育水は、人工海水と呼ばれる粉末状の人工海水の素を水道水に溶かして作ります。
人工海水の歴史は140年以上になり、塩化ナトリウムを主成分として6〜7種類の薬品を適量混ぜたものがヨーロッパで作られたのが始まりです。
その後研究開発が進み、優秀な人工海水が各メーカーから市販されています。
人気の定番人工海水!アクアリウムシステムズ インスタントオーシャン プレミアム 800リット...
間違ってもその辺の海から汲んできた天然海水を使用しないでください。
きれいに見える海水でも、雑菌やプランクトンなどいろいろなものが入っていて、水温を調節しただけではトラブルになること間違い無しです。
天然海水を乾燥させた、天然のミネラルが含まれたものも販売されています。
天然海水から作られた高品質の人工海水!レッドシー レッドシー ソルト 300リットル用
紅海の清浄な天然海水を天日で蒸発させて抽出した最高級人工海水
ミネラルやビタミンを豊富に含む