熱帯魚飼育の基礎知識


熱帯魚の食性は、肉食、雑食、草食など、いろいろな食性がありますが、そのほとんどが雑食性で、動物性のエサも植物性のエサも食べます。

■人工乾燥飼料
熱帯魚のための栄養や好みを考えながら、レバー、魚粉、卵黄などを混ぜ合わせ、乾燥させたもので、形や味や香りなどいろいろな種類があります。
熱帯魚のエサとしては最もポピュラーで、入手しやすく経済的なエサといえます。

フレークタイプ
動植物の原料を混ぜ合わせ、薄いフレーク状に加工したもの。
魚の口の大きさに合わせて、指でつぶして大きさを調整できる。
水を含むとゆっくり沈んでいく。
  


顆粒タイプ
フレークタイプと同じ原料を顆粒状にしたもの。
中・大型魚に与えられるものも多い。
水面に浮くタイプと、沈むタイプのものがある。
  

タブレットタイプ
原料を1cm程度の大きさの円盤状に圧縮加工したもの。
底に沈めたり、水槽の内壁に貼り付けたりして与えられる。
代表的なものにプレコ用がある。
  

パウダータイプ
顆粒状のものよりもさらに細かく加工したもの。
小型魚や幼魚向きで、ベビーフードとも呼ばれる。
水に溶けやすいので、与えすぎて食べ残しが多いと水質を悪化させやすいので注意。
  

■冷凍飼料
アカムシ、ブラインシュリンプ、イトミミズ、ミジンコ、マウスなどの生餌をそのまま冷凍パックしたもの。
キューブ状になっているものも多く、必要な時に解凍すればよいので、便利で栄養価も生餌と変わらない。
  

ディスカスの飼育に必要不可欠な冷凍飼料がディスカス・ハンバーグと呼ばれるもので、牛の心臓などをミンチにして固めたもの。
もちろんディスカスだけではなく、他の魚に与えてもよい。
  
     ディスカス・ハンバーグ

■生き餌
生きたエサというと、中・大型肉食魚に与えるコオロギやミルワームやエビ、エサ金と呼ばれるエサ用の金魚などがある。
    
       写真はミルワーム

以前はイトミミズやアカムシなどのことを指していましたが、最近は採取と長期保存が難しいという理由で、あまり使われなくなっている。
孵化させたブラインシュリンプも生餌の一種で、乾燥卵の状態で販売されており、塩水につけて一昼夜エアレーションすれば孵化させることができる。
  
   乾燥ブラインシュリンプ・エッグ

■フリーズドライ飼料
アカムシ、オキアミ、小エビなどを熱風乾燥や真空冷結乾燥したもの。
最も代表的なものは「クリル」で、オキアミをフリーズドライしたもの。
肉食魚だけではなく、雑食性の魚も好んで食べ、体色の赤の発色をよくする特長もある。
  
    フリーズドライの定番クリル



アルビノ
突然変異で色素がないものを固定したもの。目が赤くなるのが特徴。

ワイルド
採取個体のこと。養殖ではない個体。

ソードテール
尾ビレの下縁が剣状に伸びたタイプのものを総称していう。

ダブルソード
尾ビレの縁の上下がともに伸びているもの。ソードテールの種類の一つ。
トップソード
尾ビレの縁の上だけが伸びているもの。ソードテールの種類の一つ。

ライアテール
尾ビレの縁が外側にカーブしているもの。ソードテールの種類の一つ。

ベールテール
尾ビレが長いこと。細長いものをフラグテール、長く大きいものをファンテール、張りの強い三角形をデルタテールという。

遡行性魚類
川で生まれ海で生息するが、産卵のために川をのぼってくる魚のこと。

降海性魚類
海で生まれ川で生息するが、産卵のために海に下る魚のこと。

陸封型
本来は回遊魚であった種が、一生を淡水で過ごすようになった魚のこと。

回遊魚
成長するにつれ、河川と海を行き来する魚のこと。

幼魚
卵から孵化して成魚になるまでの間をいう。前期子魚、後期子魚、稚魚、未成魚の4期に分けられる。
前期子魚・・・孵化し卵黄を吸収し終わるまでの期間。
後期子魚・・・卵黄を吸収した後から、各ヒレのトゲ・軟条が定数になるまでの期間。
稚魚  ・・・後期子魚から未成魚になるまでの期間。
未成魚 ・・・体色、体型はほぼ成魚に近いが、完全に成熟していない状態。
成魚  ・・・産卵や放精が可能になり、体の構造や機能が完成された状態。

トゲ
ヒレ条の先端が分かれず、骨格化したもの。

軟条
ヒレの膜を支える構造のもの。普通、根元は1本で先端がいくつかに分かれている。トゲと違い、やわらかく自由に曲がる。

脂ビレ
背ビレと尾ビレの間にある1個の小さなヒレのこと。脂肪に富み、トゲや軟条がない。

咽頭歯
のどに歯がある種類のこと。コイの構造上の一つにあげられる。

追星
繁殖期になると魚の体表に出る固い小突起のこと。頭部、背、胸ビレなどにあらわれることが多い。

婚姻色
産卵期になると体表が普段とは違った色になること。

表層魚
水面近くにいつも棲んでいる魚のこと。一般に泳ぐ力が強い。

中層魚
水槽の中層で生活をする魚のこと。表層魚か底棲魚かがはっきり区別できない場合もある。

底棲魚
底魚とも言う。水槽の水底に接したり、砂や泥の中で一生生活する魚のこと。

硬骨魚類
魚の骨が硬骨からなるもの。チョウザメや肺魚などがこのグループの祖先型。

マウスブリーダー
口の中に卵をふくみ、孵化させること。アフリカ系や南米産のものに多い。

浮性卵
水に浮く卵のこと。浮遊卵ともいう。1個が1ミリ程度と小さく、ばらばらのものとかたまるものとがある。

粘着卵
水に沈む卵のうち、水草などに付着する性質のものいう。

沈性卵
水に沈む卵のこと。ものに付着するものと、しないものがある。

日本産メダカ
日本に産するメダカのこと。野生のクロメダカの突然変異をヒメダカといい、観賞用としている。



入門種が多く、飼育が容易でとても飼い易いのがコイ科の仲間の最大の特徴。

しかも安価な種が多く、ダニオやラスボラなどは古くから親しまれている。

    
 ラスボラ・ヘテロモルファはコイ科の代表種

美しい発色を見せる魚が多く、体色を楽しむのが最大の魅力。

金魚や錦鯉もコイ科の仲間。

◆ダニオやラスボラは性質がおとなしく、混泳水槽にふさわしい種。
入門種にも最適。

◆スマトラやブラック・ルビーはエンゼル・フィッシュやグッピーなどの長いヒレをかじる習性があるので、混泳には向かない。

    
    ヒレかじりするブラック・ルビー
    
◆シルバー・シャークはやや大型になるが、口が小さくおとなしいので混泳に向く。



アナバスの仲間の最大の特徴は、溶存酸素の少ない環境にも適応するために、迷宮器官(ラビリンス器官)と呼ばれる補助呼吸器官を備えていること。

口から直接空気を吸って酸素を補給することができる。
ラビリンス・フィッシュと呼ばれている。

    
闘魚と呼ばれるベタはラビリンス・フィッシュの代表種

繁殖生態もおもしろく、オスが水面に空気を口から吐いて泡巣を作り子育てをする、バブルネストビルダーと呼ばれる種もいる。

◆バブルネストビルダーには、最もポピュラーな種にグーラミィがいる。
飼育・繁殖ともに容易で、初心者にも飼い易い。

    
  グーラミィはバブルネストビルダーの代表種

◆小型のグーラミィは温和な魚となら混泳は可能だが、大型のものは同サイズの魚としか混泳できない。

◆ベタは同種のオス同士で激しく闘うのが有名だが、他種に対しては比較的おとなしい。

◆他の魚の体をなめるキッシング・グーラミィや、魚食性の強いアナバスなどは単独飼育が理想。



次々と新種が紹介されている種類数の多いグループ。

5cm程度の小型種から、1mを超えるモンスターまで実に多彩な種で、その中でも小型で美しい種が多く属するテトラの仲間は人気が高く、古くから親しまれている。

     
   ネオン・テトラは最もポピュラーな種

東南アジアでは養殖が盛んに行われており、入荷量も多いので入手し易いのも人気の一つだ。

種類が多いので、珍種をコレクションするコレクターも多い。


◆小型のテトラの仲間は性質が温和なものが多く、同サイズの魚同士の混泳は可能だが、グッピーなど弱アルカリ性の水質を好むものは避けたほうがよい。

◆カラシンの仲間でも中・大型のものは気の荒い種類が多いので、それより小さいサイズの魚との混泳は避けたほうがよい。

◆ピラニアやホーリーなどの肉食魚は、同種および他種を含めて混泳には十分注意する。
できれば単独飼育したい。

    
     ピラニアもカラシンの仲間 



エンゼル・フィッシュやディスカスなど、熱帯魚の代名詞的存在なのがこの科の特徴。

体長5cm程度の小型種から60cmを超える大型種まで、大きさも色も形もさまざまな種がいる。

シクリッド共通の特徴は、体側の線が2本に分かれ鼻孔が左右に一つずつしかない。

    
人気のアピスト・グラマ 熱狂的マニアが多い


シクリッドの仲間は繁殖形態もおもしろいものが多く、卵や稚魚を口にくわえて育てるマウスブリーダーや、体表からミルク状の分泌液を出し、それを稚魚に与えて育てるディスカスなどが興味深い。

    
    ミルクを与えて稚魚を育てるディスカス


◆エンゼル・フィッシュなどペアで子育てする魚種は、普段はおとなしいが産卵期になると非常に攻撃的になることがある。

◆ディスカスは高温飼育が基本になるので、カージナル・テトラなどの高水温に耐えられる魚種以外との混泳は向かない。



メダカの仲間は、様々な種が世界中に分布しており、観賞魚としては大変馴染み深い歴史があります。

日本にもヒメダカやクロメダカなどが生息していて、中でも白メダカは観賞価値の高いメダカです。

    
    観賞価値が高い白ヒカリメダカ


最もポピュラーなのは、グッピーやプラティなどの安価で飼育が容易な種で、ショップでは現在でも多く取り扱われています。

メダカの仲間は繁殖が容易な種も多く、熱帯魚飼育初心者でもチャレンジできるのも魅力の一つです。

◆卵胎生メダカの仲間
オスとメスとの交尾によってメスのおなかの卵が受精して孵化し、それが稚魚になってから水中へ産み出されるという特徴を持つ。
グッピー、プラティ、モーリー、ソードテールなどが代表種。

    
    熱狂的マニアが多いグッピー

グッピーやプラティなど、ほとんどの種がおとなしく混泳水槽には向いているが、中型かやや大型になるソードテールやセルフィン・モーリーなどは小型魚との混泳には向かない。


◆卵生メダカの仲間
メスが水草や水底に卵を産みつけ、それにオスが放精して受精して孵化させます。
アメリカンフラッグ・フィッシュやノトブランキウス・ギュンテリィが代表種。
この科の魚は飼育・繁殖が難しいものが多い。

卵生メダカの仲間のランプ・アイやプロカトーパスなどはおとなしく、大きさに差がなければ混泳可能。

    
    プロカトーパス おとなしい種



現在、日本では熱帯や亜熱帯地方に生息する、河川や湖沼などに棲む熱帯性淡水魚のことを「熱帯魚」と呼んでいます。

同じ熱帯や亜熱帯でも、海に棲む魚は単に「海水魚」と呼ばれています。

ひと口に熱帯魚といってもその数は膨大で、観賞価値の高い品種だけでもおおよそ2000〜2500種ほど。
それらの中で一般的に人気が高く、入手しやすいのは300種ぐらいといわれています。

熱帯魚には体長が5センチに満たないものから、1メートルを有に超えるものもいます。
体型や体色もさまざまで、風変わりな習性を持つ種もたくさんいます。

アロワナやジュルパリなどは、稚魚を口の中で育てるマウスブリーダー。
ベタなどアナバスの仲間、は水面に泡巣を作って卵を産みつけるバブル・ネスト・ビルダー。
熱狂的なマニアが多いディスカスは、自分の体表から分泌される「ディスカスミルク」と呼ばれるミルク状のものを食べさせて稚魚を育てます。

種類によっては繁殖も比較的容易なのが、熱帯魚の特長といえるでしょう。



日本に送られてくる熱帯魚の原産地は大きく分けて3ヶ所あります。

南アメリカ…アマゾン川流域
アフリカ…コンゴ川流域、タンガニーカ湖、ビクトリア湖、マラウィ湖
東南アジア…メコン川流域
以上が3大原産地とされています。

◆南アメリカ(南米)の代表的な種は、熱帯魚の王様と呼ばれるディスカスなどのシクリッド科、最もポピュラーな熱帯魚のネオン・テトラ、古代魚のアロワナ、ピラルクなど。
*南米アマゾン川…世界の3大原産地の中でも南米大陸のアマゾン川流域は、特に魚種が豊富なことで有名。

◆アフリカにはシクリッド科、カラシン科が多い。クラウン・テトラ、エレファント・ノーズなどが有名。
*コンゴ川…アフリカは大陸全体が熱帯もしくは亜熱帯で、中でもコンゴ川は膨大な数の熱帯魚が棲息している。珍しい魚も多く、珍魚の生息場所としても有名。

◆東南アジアにはラスボラ、スマトラなどのコイ科、ベタ、アナバスなどのアナバンティ科の魚がたくさん棲息している。

その他、アメリカ、ドイツ、シンガポール、香港などで養殖されたものも日本にたくさん入ってきています。

日本国内でも養殖が行われており、品種改良によって原種よりも優れた魚を作出されています。



◎ 観賞魚をさがす ◎
◎海水魚分類別特徴◎
スズメダイの仲間

小型で丈夫、しかもカラフルな色彩の種が多く、価格も手頃なので海水魚飼育初心者にオススメ。
人気のクマノミもこの種。

ハゼの仲間

丈夫でおとなしく、色彩の美しい種も多い小型魚の代表的存在。
テッポウエビと共生するなど、生態もおもしろく人気が高い。

チョウチョウウオの仲間

海水魚ファンの間では、ヤッコと並ぶ人気のグループ。
体高があり、カラフルな色彩を持つのが特徴。
ポリプ食性のものは飼育が難しい場合が多い。

キンチャクダイの仲間

一般的には「ヤッコの仲間」と呼ばれ、小型と大型に分けられる。
丈夫で飼い易いものが多く、チョウチョウウオとともに人気が高い。

ニザダイ・アイゴの仲間

一般的には「ハギの仲間」と呼ばれるが、カワハギやモンガラカワハギとは違う種である。
平たい体型はチョウチョウウオにも似ている。

ベラ・ブダイの仲間

ベラの仲間は種類が多く、スマートな体型のものが多い。
ほとんどの種が丈夫で飼い易い。
ブダイの仲間はベラにかなり近い関係にあり、夜には分泌した粘膜で寝袋を作って眠るものもいる。

フグ・モンガラカワハギの仲間

独特の風貌で人気があるフグの仲間には、ハコフグ類やカワハギが含まれる。
どの仲間も強い歯を持ち、毒を持つ種類も多い。
ハコフグの仲間は皮膚毒を持ち、水槽内でもその毒を分泌してしまうことがあるので注意。
◎海水魚飼育器具
背面ろ過オーバーフロー水槽
水槽背面に大容量のろ過槽を持つ、コンパクトでありながら本格的なオーバーフロー水槽。
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プロテインスキマー
水中の有機物(プロテイン)を腐敗する前に取り除く器具。
海水特有の細かい気泡の上昇力を利用している。
海水魚飼育には、もはやなくてはならない程利用価値のある器具。

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